No.57 / 60タイプ
腕のいい

器用星人

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これは「腕のいい器用星人」の読み物です。自分がどのタイプかは、生まれた日を入れるだけでわかります。

自分のタイプを確かめる

あなたは、腕のいい器用星人。 まわりの人はあなたのことを、「困ったら、まず聞いてみよう」と思える、頼りがいのある人だと感じているはずです。 その安心感の裏側で、あなたひとりが抱えているものの話を、これからします。

01 — あなたという人

あなたは、人から何かを任されることの多い人です。旅行の手配でも、家の中の困りごとでも、「とりあえずあなたに聞けば早い」と、自然と役が回ってくる。実際、あなたは頼まれたことを手早く、きちんとした形に仕上げます。地に足のついた、腕のある人。それが、まわりの見立てです。

その見立ては、間違っていません。ただ、まわりが知らないことがひとつあります。その腕前は、ひとつの道を長年歩いた末のものではありません。なんであれ、あなたは人より早くこつを掴んでしまうのです。だから何を任されてもこなせるのですが、こなせてしまうがゆえに、「自分はいったい何の人なのか」という問いが、ずっと胸の奥にあります。

そしてもうひとつ。穏やかに見えるあなたの奥には、じつは驚くほど思い切りのいい、決断の速い顔が隠れています。この文章では、その三つの面を順に見ていきます。

02 — 基本性格

あなたは、迷っている時間がいちばん苦手な人です。たとえば友人たちが「どっちにする?」と決めかねているとき、先にひと声出す役は、あなたに回ってきやすいのではないでしょうか。行列が思ったより長ければ、さっと予定を組み替える。止まっているくらいなら、動いて確かめたほうが早い。それが、あなたの体に染みついたやり方です。

そのうえ、あなたは覚えが早い。初めての機械も、慣れない手続きも、少し試せばだいたい飲み込めてしまう。決めるのが速く、こなすのも速い。だからあなたのまわりでは、ものごとが滞りません。「あの人がいると話が進む」と思われているのは、このふたつの速さのおかげです。

注意したいのは、その速さが、ときどき人を置いていくことです。あなたの中ではとっくに結論が出ているのに、まわりはまだ迷いの途中にいる。ひと言、「こう考えたから、こうしたい」と理由を添えるだけで、あなたの速さは、強引さではなく頼もしさとして伝わります。

03 — 本当はこうでしょう?

何をやらせても、人並み以上にはできる。頼まれれば形にできるし、感謝もされる。それなのに、「これがわたしの本業だ」と迷いなく言えるものが、まだない。その据わりの悪さを、あなたは長いあいだ、誰にも話さずにきたはずです。

不思議に思いませんか。あなたは決断の速い人です。店を選ぶのも、やめどきを見きわめるのも、人の相談に答えを出すのも速い。なのに、自分がいちばん力を注ぐことを選ぶのだけは、何年も先送りにしている。

理由は、あなた自身がうすうす知っているでしょう。ひとつに賭けて、全力を注いで、それでも結果が出なかったら、器用にこなせる今の自分まで、否定された気がしてしまう。だから、できることを増やす方向へ逃げる。腕を上げれば上げるほど、選ばない言い訳が増えていきます。

それは、中途半端な出来のものを「自分の仕事」と名乗りたくないという、職人のような誇りです。あなたの決断力は、本当は自分のためにこそ取ってあります。まだ、自分のために使っていないだけです。

04 — 恋愛・相性

好きな人の前のあなたは、行動の人です。気持ちが固まれば、様子見はしません。連絡をためらって何日も寝かせる、ということがない。その潔さは、相手にとってとても分かりやすく、安心できるものです。付き合いが始まってからも、あなたは実によく動きます。相手の困りごとを聞けば、その日のうちに調べて解決策を持ってくる。壊れたものは直し、面倒な手配は引き受ける。あなたの愛情は、言葉より先に、手が動く形で表れます。

あなたを落とすコツは、じつは、上手に頼ることです。「これ、お願いしてもいい?」を屈託なく言える相手に、あなたの腕と心は喜んで動きます。デートは、座って見つめ合うより、何かを一緒にやる形が好み。作る、試す、出かけて確かめる。手を動かしながらの会話が、あなたたちのいちばん自然なおしゃべりです。

ただ、その頼もしさが、ときに壁になります。何でもできてしまうあなたは、相手に「してもらう」場面をつくるのが下手です。疲れた日も自分で片づけ、悩みも自分で結論を出してから報告する。相手からすれば、入り込む隙間がない。「わたし、いなくても大丈夫だよね」と言われた経験が、もしかしたらあるかもしれません。

ときには、答えを出す前の、まとまっていない迷いをそのまま見せてください。解決を頼むのではなく、ただ聞いてもらう。あなたの腕前ではなく、迷っている素顔に、相手はいちばん近づきたいのです。

05 — 人間関係

あなたは、友人たちの中で「駆け込み先」になっている人です。パソコンの調子が悪い、引っ越しの段取りが分からない、もめごとの落としどころが見えない。ジャンルを問わず、相談があなたに集まってくる。そしてあなたは、話を聞くだけでなく、たいてい答えまで出してしまう。頼るほうにとって、これほどありがたい人はいません。

ただ、この役回りには偏りがあります。あなたは与える側に立ち続け、受け取る側にほとんど回らない。人の背中は迷いなく押せるのに、自分の迷いごとを人に預けた記憶は、ずいぶん遠いことでしょう。

あなたに必要なのは、大人数の輪ではありません。「それで、あなた自身はどうするの」と、解決役のあなたに問いを返してくれる友です。答える側から問われる側へ、たまには役を替わる。そこで口にした迷いが、あなたをいちばん前に進めます。

06 — 仕事の才能

あなたの強みは、判断と実行のあいだに隙間がないことです。多くの人は、決めてから動くまでに時間がかかります。あなたは違う。「やる」と決めた瞬間には、もう手が動いている。しかも、その手が確かです。任されたことを、速く、かつ雑にせず仕上げる。速さと丁寧さは両立しにくいものですが、あなたはそれを自然にやってのけます。

向いているのは、止まっているものを動かす役回りです。滞った作業、宙に浮いたままの話、誰も手をつけない面倒ごと。あなたが入ると、物事に流れが戻ります。逆に、結論の出ない話し合いに延々と付き合わされる場は、あなたの消耗がいちばん激しい場所です。

課題は、腕がいいせいで、何でも屋の位置に落ち着いてしまうことです。頼まれたものを全部さばいていると、忙しいのに、名前の残る仕事が手元にない。頼まれごとの外に、自分で選んだことをひとつ持ってください。頼まれてやる仕事と、自分のために選んだ仕事とでは、同じ腕でも伸び方がまるで違います。

07 — お金

あなたは、お金の判断で立ち止まらない人です。買うと決めたら値段を見比べて手早く決め、要らないと判断したものには、びた一文出さない。店先で三十分悩む、ということがまずない。この歯切れのよさが、無駄な出費を減らしています。目利きもよく、値段のわりに長く使えるものを選ぶのが上手なはずです。

落とし穴があるとすれば、大きな金額のときにも、いつもの速さで決めてしまうことです。小さな買い物で鍛えた即断は、金額が一桁上がった場面では、勢い任せになりかねません。そして決めたあとで、「あれでよかったのか」とひとりで考え直しを繰り返す。決断は一瞬なのに、後悔は長い。それが、あなたのところです。

大きく払うときだけは、決めるのを次の日まで待って、期待どおりでなかった場合の損の大きさを先に見積もっておく。後悔しそうな点を先に確かめておけば、あなたの即断は、そのまま強みになります。

08 — ストレスと解消法

あなたの疲れは、「任される→こなす→もっと任される」の繰り返しからきます。腕がいいので頼まれ、速いので断る間もなく次が来る。しかも停滞が嫌いなあなたは、手が空くとかえって落ち着かず、自分から用事を拾いにいってしまう。休むことそのものが、下手なのです。返事がそっけなくなる、人の遅さに苛立つ、寝る前に今日の判断を振り返って自分を責めている。それが、限界の合図です。

効くのは、結論のいらない時間です。散歩なら、目的地を決めずに歩く。買い物なら、何も買わずに眺めるだけの日をつくる。「決めない・仕上げない・役に立たない」を、わざとやってみる。最初はそわそわしますが、それこそ、あなたがいつも忙しく動きすぎていた証拠です。

つぎに、頼まれごとをひとつ、他の人に譲ってみること。あなたがやれば10分で済むことを、あえて手渡す。世界は案外、あなたが手を出さなくても回ります。それを確かめた日から、あなたの肩は軽くなります。

09 — 人生のテーマ

あなたという人のテーマは、「人のために使ってきた決断力を、一度、自分が選んだことのために使うこと」です。

ここまであなたは、頼まれた場所で腕を振るい、迷う人の代わりに決め、止まった物事を動かしてきました。それは誰にでもできることではなく、胸を張っていい歩みです。ただ、その歩みを振り返ると、選んできたのはいつも「頼まれたこと」で、「自分が選んだこと」が、まだ少ない。

これからやることは、ひとつだけです。数ある「できること」の中から、頼まれていないのに続けたいものを、自分の判断で選ぶ。あなたには、選ぶ力がもうあります。店を決め、やめどきを決め、人の背中を押してきた、その決断の速さです。こんどはそれを、自分のために使う日が来ただけのこと。

選んだことが実を結んだとき、あなたは「何でもできる人」から「これなら、この人」と言われる人に変わります。あなたに任せたいことは、これからも尽きません。でも次は、あなた自身の番です。

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